鹿児島大学少林寺拳法部
Kagoshima University Shorinji Kempo Club
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少林寺拳法とは
少林寺拳法は、1947年（昭和22年）、日本の香川県多度津町で開祖宗道臣（そう・どうしん）によって創始された日本発祥の武道です。戦後の混乱期、人々が暴力にさらされていた時代に、開祖は「正義と慈悲を備えた強い人間を育てたい」との強い想いから、護身の技術と人間教育を組み合わせた体系を築きました。
この拳法は、突き・蹴り・投げ・固めといった技術を通じて、「心と体を鍛え、自らの人生を主体的に生き、他者と共に幸せを築く力を養うこと」を目的としています。単なる格闘技ではなく、「力愛不二（りきあいふに）」という理念を柱とし、力と愛を両立させた生き方を学ぶものです。現在では世界中に広がり、青少年教育や生涯学習としても注目されています。
単に技能の習得だけでなく、人間としての成長を重視する武道で、その教えの根底には、「自己確立」「力愛不二」「自他共栄」といった、組織のリーダーにとって重要な考え方が含まれています。
「自己確立」とは、自分の判断に責任を持ち、ぶれずに行動する力を養うことを意味し、「力愛不二」とは、力（正義を貫く行動力）と愛（人を思いやる優しさ）は本来一体であり、どちらか一方だけでは真の平和や正義は実現できないという教えです。そして、「自他共栄」とは、自分だけでなく他者の成長や幸福も大切にしながら、共に前に進もうとする考え方です。
これらの教えは、日々の稽古や実践を通じて少しずつ身につけていくことができ、組織や社会の中で人を導く立場にある人にとって、非常に実用的な指針となります。
少林寺拳法とは、力と愛の調和を重んじ、強さの中に優しさを、優しさの中に信念を育む武道です。正義を貫く力と、他者を思いやる心を養うその教えは、一方で、現代のリーダーに欠かせぬ資質を育てるものといえるでしょう。
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ミッション
現在の中国における少林寺拳法の評価と印象
少林寺拳法は、名称に「少林寺」を冠していることから中国でも注目されており、中国由来の伝統武術にルーツを持ちつつ、日本で独自に体系化された武道として一定の認知があります。中国の武術関係者やメディアはその技術体系や実戦性を評価する一方で、歴史的経緯や文化的な感情からくる複雑な見方も存在しています。
特に、創始者・宗道臣が戦中に中国で「少林拳」を学び、日本で新たに武道として興した点については、発展的継承とする見方と、文化的流用と受け止める見方が混在しています。1979年に宗道臣が嵩山少林寺を訪れた際には、記念碑の建立なども行われましたが、それを友好の証とする評価とともに、伝統を守る立場から違和感を示す声もあったといいます。
中国の一般メディアでは、少林寺拳法は日中友好の文脈で紹介されることが多く、「中国に源を持ち日本で発展した武道」として肯定的に伝えられていますが、一方で、SNSや武術系フォーラムなどでは、「空手に近い動き」や「日本の武道としての特色」に注目する声もあり、技術的には中国武術とは異なるものとして理解されています。
また、教育・文化交流の分野では、日中の若者同士による交流イベントや少林寺での記念行事が行われており、少林寺拳法は国際的な文化交流の一環として活用されている。中国国内での普及は限定的であるものの、文化的なつながりを背景とした交流は継続的に行われています。
総じて、中国における少林寺拳法の評価は一様ではなく、技術的・歴史的・感情的な複数の視点が共存しています。実戦性の高さや体系の整備に対する評価と、歴史的背景への慎重な見方が並行して存在するのが実情といえるでしょう。
